通常であれば、展足時に後翅を開き針で固定をするだけでは乾燥過程でこのようにシワが目立ち、美しく魅せる事ができずやはり生きてる時のようには見せられません。乾燥機を使った場合は腹部も潰れ、翅にシワが顕著に出てしまいます。

後翅だけ広げて針で支えて展翅をするなら誰でもできる技術ですが、そこから僕は改良に改良を重ねて乾燥時にできるシワを極力無くす工法を考案、後翅の固定に一工夫加えて付加価値を加えてます。

立体標本にする場合はさらにこの後翅の角度はやや湾曲をさせる工程で自然に見えるようにさらに翅に角度をつけます。

立体標本というものは針を標本となる昆虫の胴体に刺さないもの指します。かなり小型の甲虫の場合は後翅の固定が非常に難しい為、目立たない位置に微針を後翅に左右の1箇所ずつ刺して展翅、その後空いた穴は目合わせをして修復します。

僕の立体標本は生きている時の姿を切り取ったような立体標本を目指してます。開翅立体標本は飛ぶ瞬間を、立体標本は動態的に躍動感のある標本へ立体化した姿で新たに生命を吹き込みます。

立体標本は破損しやすいのでオーダーではイベントでの直接受け渡ししか受け付けてません。
イベントにお越しいただいた際には立体標本の手脚、胴体の姿勢に着眼点を置いて見ていただければ、より良さが伝わると思います。